防犯赤外線センサーにはアクティブセンサー(能動型センサー)とパッシブセンサー(受動型センサー)があります。単に「赤外線センサー」という場合は、アクティブセンサーをさすことが多いようです。
アクティブセンサーとパッシブセンサーの名前の違いは、動作原理の違いからきています。
赤外線アクティブセンサーは、赤外線ビームを発射(投光)する発光部と、そのビームを受信する受光部から成り立っています。発射されたビームは物体に当たって反射して受光部に届いたり、あるいは、物体にさえぎられて受光部に届かなくなったりします。受光部は、このときの赤外線の量の変化を調べ、それにより、物体の存在を認識します。このタイプのセンサーは、自らビームを発射するため、「アクティブ(能動)」センサーと呼ばれるのです。アクティブセンサーは、光線式アクティブセンサーあるいはビームセンサーとも呼ばれます。
それに対して、赤外線パッシブセンサーは、赤外線ビームを発射しません。人体からは常に微弱な赤外線が放出されていますが、パッシブセンサーその赤外線を受信(背景と人体の赤外線エネルギーの差(温度の差)を検出)して、人体を検出します。このタイプのセンサーは、自分自身は赤外線を発射しないため、「パッシブ(受動)」センサーと呼ばれます。パッシブセンサーは熱線センサーとも呼ばれます。
赤外線には、近赤外線と遠赤外線があります。
アクティブセンサーが利用する赤外線は近赤外線です。近赤外線とは、可視光線と遠赤外線の中間の性質を持つ赤外線です。近赤外線を利用するセンサー(アクティブセンサー)は遠赤外線を利用するセンサー(パッシブセンサー)よりも分解能が高く、より小さな物体を高速で検出できます。
パッシブセンサーが利用する赤外線は遠赤外線です。遠赤外線とは、より波長の長い赤外線で、熱線、熱赤外線とも呼ばれ、赤外線ストーブ・赤外線コタツなどで使われている赤外線です。人体からは常に微弱な赤外線が放出されています。遠赤外線を利用するセンサー(パッシブセンサー)は近赤外線を利用するセンサー(アクティブセンサー)よりも分解能が低く、あまり小さな物体は検出できません。
アクティブセンサーは、赤外線ビームを反射したりさえぎったりする物体すべてに反応します。そのため、人体だけでなく、猫などの小動物、落ち葉、自動車などにも反応します。
それに対して、パッシブセンサーは、人体の体温(表面の温度)に反応するように作られています。そのため、小動物、落ち葉、自動車にはあまり反応しません。
しかし、実際に販売されている製品は、アクティブセンサーの場合も、誤認識が起こりにくいように設計・製作されています。
アクティブセンサーは、赤外線投光器と受光器が1個の製品になった一体型と、2個の製品に分かれている分離型に分類できます。一体型の場合は、人体などから反射された赤外線を受光器で検出します。分離型の場合は、人体などにより赤外線が遮断された事を受光器で検出します。アクティブセンサーは黒色円柱形の製品が多く販売されています。
パッシブセンサーは、受光器からなりる一体型のみです。外見は、白色半円球(ドーム)形の製品が多く販売されています。
アクティブセンサーは、通常、玄関ドアの前、庭、勝手口、風呂の前、駐車場の前などに設置します。アクティブセンサーは、人や車両がセンサーの監視領域内に入ってきたとき反応して、ライトをつけたりアラームを鳴らしたりします。
これに対して、パッシブセンサーは、通常室内に設置します。パッシブセンサーは、人体から放出される微量の赤外線を感知して、人が監視領域内にいるかどうか判断し、ライトを点灯させたりアラーム音を発生させます。
赤外線を検知する一般的な素子としては、アクティブセンサーには焦電形赤外線素子が、パッシブセンサーには強誘電体セラミックス素子が使用されています。
このように、アクティブセンサーとパッシブセンサーは、利用の目的や設置方法がかなり違います。それぞれ、用途に合わせて最適な製品を選択・設置する必要があります。
| アクティブセンサー | パッシブセンサー | |
|---|---|---|
| 動作原理 | 赤外線ビームを発射し、そのビームを反射したりさえぎったりした物体を検出する。 | 人体表面から放出する赤外線を受信し、人を検出する。 |
| 検出対象 | ビームを反射したりさえぎったりする物体すべて | 人体 |
| 利用場所 | 常、玄関ドアの前、庭、勝手口、風呂の前、駐車場の前など | 室内、廊下 |